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蘇民とは?

牛頭天王と蘇民将来(ごずてんのうとそみんしょうらい)

  むかし、むかしあるところに牛頭天王という人がいました。
  もうそろそろお嫁さんがほしいなぁと思っていると鳩がやってきて「竜宮城へ行きなさい」と教えてくれました。
そこで、牛頭天王は竜宮城への旅に出かけました。
  途中、泊めてもらうところを探しているとこの辺りで一番のお金持ちの巨旦(ごたん) の家がありました。
午頭天王と蘇民
牛頭天王が「一晩泊めてください」と言うと、巨旦は意地悪く「うちは貧しいから泊められないよ」と嘘をついて断りました。
牛頭天王は困りました。しかたなく歩いて行くと蘇民将来の家に着きました。「泊めてください」と言うと貧しいながらも心優しい蘇民は「どうぞ、汚れていますが」と言って家の中に招き牛頭天王に粟のご飯をたいておもてなしをしました。
  次の日、出発する前に牛頭天王は泊めてもらったお礼に宝物の珠を蘇民にわたしました。この(たま) は、心の優しい人が持つとお金がたまるものでした。
蘇民   その後、牛頭天王は竜宮城に着いてお嫁さんをもらい、8人の王子のお父さんになりました。8年ぐらいたったある日、自分の生まれた国に帰ることにしました。途中、また蘇民の家に泊まりました。心優しい蘇民は長者さんになっていました。それをうらやましく思った巨旦も牛頭天王を家に泊めようとしましたが、意地悪は変わらなかったので、逆に次々と悪いことばかりおこりました。
  一方、蘇民はいつまでも幸せにすごしました。
  牛頭天王という人は、悪いことを追い払う神様だったのです。代々蘇民の家の人たちは、このとき牛頭天王が言われたように「蘇民将来」と書いた木を身に着けていました。それがお守りとなったので幸せに暮らしたという言い伝えが残っています。
  この木のお守りが今現在は注連縄にとりつけられ家の玄関口で悪いことを追い払ってくれているのです。

 蘇民将来と巨旦の物語は「備後風土記」新編日本古典文学全集『風土記』〈小学館〉や『参宮名所図絵』〈臨川書店〉に残っており、ここではスサノオノミコトが蘇民の家に泊まったと伝わっています。
 今回「民話の駅 蘇民」のオープンにあたり、地元松下地区に伝わる町有形指定文化財の「牛頭天王儀軌之事」という元和6(1620)年に書写された巻物を引用しました。この中では牛頭天王が蘇民の家に泊まったというお話になっています。数多い民話の伝承ではスサノオノミコトと牛頭天王は同じ人物であると言われています。

注連縄 注連縄
この地方では、お正月の注連縄を一年中飾っておく風習があります。
この札には「蘇民将来子孫家門」と書かれているものがほとんどです。
これは、民話にも出てきたように「私の家は蘇民の子孫の家ですよ」と
わかるようにして、悪いことがおこらないようにするおまじないなのです。

 
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